16/08/2026
前々から庭文庫の定番本の1冊としておすすめをし続けている本である、中平卓馬さんの『なぜ、植物図鑑か 中平卓馬映像論集』。森山大道さんらと「アレ・ブレ・ボケ」のモノクローム写真の新規性を切り拓いた中平が転回し、なぜ植物図鑑のような写真表現に至ったのかについての、自己批評的文章ほか、真摯に切実に紡がれる気迫ある文章に、思わず脳内と体内が力強く躍動する。中平の思考が僕は、好きです。
✳︎
なぜ、植物図鑑か
——中平卓馬映像論集
中平卓馬
ちくま学芸文庫
1430円税込
映像のあいまいさを否定せよ!
映像に情緒性・人間性は不要だ。図鑑のような客観的視線を獲得せよ! 日本写真の60?70年代を牽引した著者の幻の評論集。 【解説: 八角聡仁 】
写真にとって表現とは何か、記録とは何か。1960年代後半から70年代にかけて、ラディカルな思考と実践を貫きながら激動の時代を駆け抜けた写真家が、自身の作品と方法の徹底的な総括を通して、来るべき時代の表現を模索する写真+映像論集。写真は「事物が事物であることを明確化することだけで成立する」ものでなければならないとし、“ブレ・ボケ”との訣別を宣言する表題作「なぜ、植物図鑑か」ほか、メディア社会における“芸術と政治”への先験的考察は、今も伝説的に語り継がれる。原著刊行から30年余を経て待望の文庫化。
中平卓馬
( なかひら・たくま )
中平 卓馬(なかひら・たくま):1938-2015年、東京都生まれ。東京外国語大学スペイン語学科卒業。写真家、写真評論家。著書に『来たるべき言葉のために』『なぜ、植物図鑑か』など。2024年に東京国立近代美術館で回顧展「中平卓馬 火―氾濫」。
✳︎
中平は写真家としても素晴らしいし、ものを書く彼の生も素晴らしい。書き物がもっと世にあらためてまわるとよい。品切のものが、多すぎる。
百瀬雄太
#庭文庫 #なぜ植物図鑑か #中平卓馬 #写真 #芸術