13/05/2026
知る人ぞ知る名作として愛される、
優しくて深い「想像力」の物語
『偉大なワンドゥードル さいごの一ぴき』
ジュリー・アンドリュース 作 / 岩谷時子 訳
TBSブリタニカ 1979年
店主が小学生の頃、山を削って作られた高台の新興住宅地に住んでいました。そこは下界と切り離されたような場所だったため、定期的に公園へやってくる「移動図書館」のバスが何より楽しみでした。
そのバスで出会ったのが、この一冊です。借りて読むなり、あまりの面白さに「返したくない」と思うほど夢中になりました。親に頼んで手に入れて以来、これまでに何度読み返したかわかりません。
当時の児童書としては珍しく、挿絵は一切ありません。あるのは色鮮やかな表紙イラストと、見開きのロゴマークのみ。このロゴは作中にも登場し、当時の付録の栞にもあしらわれていました。
ロゴに記されたラテン語は「平和、愛、そしてユーモアの喜び」を意味します。
作中ではたしか、「明るい気持ちで 平和と愛と喜びの生活を送ろう」と訳されていたと思います。
ラテン語という言語の存在を初めて知ったのもこの本で、そのシックで大人びた装丁も好きでした。
そして著者が映画『サウンド・オブ・ミュージック』の主演女優ジュリー・アンドリュースで、優れた児童文学作家でもあったことは、大人になってから知りました。
物語の内容は、あらすじで説明すると陳腐になってしまいそうなのであえて割愛します。けれど今でもこの本を読む度に、子供の頃に感じたあのワクワクした気持ちを思い出します。
店主と同じく、この本を宝物のように感じている方は多いようで「復刊ドットコム」には沢山の熱いコメントが並んでいます。
多くの読者の要望により、2008年には小学館から新訳版が復刊されました。
それでも、やはりこの「オリジナル版」を求める方が後を絶たないのか、古本市場でも滅多に出会えない一冊となっています。
子どもはもちろん、想像力が錆びついてしまった大人にこそ読んでほしい、素敵な物語をどうぞお楽しみください👒🧢🎓
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