Memento108

・そこにあるのは 蔓の軋みではなく、 むしろ 失語した季節の骨。 胸のあたりへ 花ののちの微光が寄り、 白い顫えだけが 遺棄されている。 縺れた線は 観念の屍衣みたいに、 白い空隙へひらいてゆく。 神性はしばしば 荒涼の貌をして来る。 やさ...
06/05/2026

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そこにあるのは
蔓の軋みではなく、
むしろ
失語した季節の骨。

胸のあたりへ
花ののちの微光が寄り、
白い顫えだけが
遺棄されている。

縺れた線は
観念の屍衣みたいに、
白い空隙へひらいてゆく。

神性はしばしば
荒涼の貌をして来る。

やさしさとは
たぶん、
すこし峻烈なものだ。

乾いた兆しと
遅れてくる震え、
その凝然たるものへ
わたしは花の亡骸を捧げる。





・函南、柏谷横穴群。死者のために掘られた穴の中に、山躑躅の花びらが落ちていた。月夜の浜辺で小さなものを拾うように、私はそれを、そっと手に取った。花は落ちても、色だけはまだ此岸にとどまり、捨てるには、あまりに静かだった。・ #柏谷横穴群 #函...
29/04/2026

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函南、柏谷横穴群。
死者のために掘られた穴の中に、山躑躅の花びらが落ちていた。
月夜の浜辺で小さなものを拾うように、
私はそれを、そっと手に取った。
花は落ちても、色だけはまだ此岸にとどまり、
捨てるには、あまりに静かだった。
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#柏谷横穴群
#函南散策
#山躑躅
#落花の記憶

・夕暮れ前の小山臨海公園を歩いた。配達までの、ほんの少しだけ空いた時間だった。探しても見つからない私の傍らで、ミツバチは何の迷いもないように、易々と花壇のドウダンツツジの花を見つけていた。私は方々を見上げ、気配を追い、目を凝らしながら歩いた...
15/04/2026

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夕暮れ前の小山臨海公園を歩いた。
配達までの、ほんの少しだけ空いた時間だった。

探しても見つからない私の傍らで、
ミツバチは何の迷いもないように、易々と花壇の
ドウダンツツジの花を見つけていた。

私は方々を見上げ、気配を追い、目を凝らしながら歩いたけれど、
ついぞ自生のそれには出会わなかった。

そこには少しの無力さが残ったが、不思議と悲観はなかった。
むしろ私は、人よりもずっと正確に花の在処を知っている小さな生きものの感覚と、
自然そのものが持つ静かな確かさに、深く心を打たれていた。

エマーソンは「自然の歩みに倣え。その秘密は忍耐にある」と書いたそうです。
こちらは歩調だけ合わせて、肝心の花には最後まで会えませんでした。
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#小山臨海公園
#熱海散策
#自然の気配
#静かな時間
#透明な眼球

・人生は、進んでいる最中にはほとんど分からない。何が正しかったのか、何を失ったのか、あの選択にどんな意味があったのか。それらは常に、通り過ぎた後になってからしか輪郭を持たない。振り返ることでしか理解できないのに、人は振り返りながら生きること...
06/04/2026

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人生は、進んでいる最中にはほとんど分からない。
何が正しかったのか、何を失ったのか、あの選択にどんな意味があったのか。
それらは常に、通り過ぎた後になってからしか輪郭を持たない。

振り返ることでしか理解できないのに、
人は振り返りながら生きることはできない。
判断はつねに不十分で、
それでも決断だけは先送りできない。
この不均衡こそ、生の条件なのだと思う。

大切なのは、
十分に理解してから進もうとすることではなく、
理解の遅さそのものを引き受けることなのだろう。
過去は後から意味を与えられ、
未来は意味のないまま選ばれる。
人はそのあいだで、考え、迷い、往々にして誤りながら生きていく。

だから、過去を美化しすぎる必要も、
未来を過信しすぎる必要もない。
ただ、いまの未熟さごと前へ出るしかない。
人生とは、理解の完成を待たずに、
なお続けられる営みなのだと思う。

とはいえ、この日は少し考えすぎたようで、ぼんやりしているうちに参観時間を過ぎ、最後は券売所の方に帰るよう促されました…。

#思索
#内省
#実存
#生の条件
#決断の倫理
時間と理解
未完成のまま
反復と選択
北の哲人
犬吠埼

・・「線とは、点が散歩に出たものである。」―  Paul Klee  ー小さな点が歩き出し、やがて線になる。白い線は静かに編まれ、花は時間の中で乾き、形だけを残します。甘い焼き菓子の香りが漂うこの場所で、それらはゆっくりと居場所を見つけまし...
30/03/2026

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「線とは、点が散歩に出たものである。」
― Paul Klee ー

小さな点が歩き出し、
やがて線になる。

白い線は静かに編まれ、
花は時間の中で乾き、
形だけを残します。

甘い焼き菓子の香りが漂うこの場所で、
それらはゆっくりと居場所を見つけました。

消えないものはきっとないけれど、
それでも、
ふと見上げると星があるように。

菓子屋ななほしの空に、
そっと灯る、小さな光です。

#菓子屋ななほし
#ななとトンカチ

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・節分飾りは、鬼を倒すための武器ではなく、「ここから先は人の領分ですよ」と静かに境界線を引くための装置だと思っています。尖ったもの、臭いもの、違和感のあるもの。それらは排除ではなく、侵入をためらわせるための気配。追い払うけれど、存在は否定し...
04/02/2026

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節分飾りは、鬼を倒すための武器ではなく、
「ここから先は人の領分ですよ」と
静かに境界線を引くための装置だと思っています。

尖ったもの、臭いもの、違和感のあるもの。
それらは排除ではなく、侵入をためらわせるための気配。
追い払うけれど、存在は否定しない。
そんな日本的な距離感が、柊鰯にはありました。

今回、ヒイラギの代わりに使ったのはカラタチの枝。
棘はより鋭く、直線と曲線を同時に孕んだ、不安定で美しい輪郭。
焼いたイワシの頭の代わりに添えたのは煮干し。
匂いの記号だけを残し、日常側に引き寄せた現代的な置き換えです。
どちらも「仕方なく」ではなく、「いま、そうしたかった」選択。

背景には古びた木箱。
四角四面で、几帳面で、動かない直線。
その整然とした幾何学の上に、
ランダムで、予測不能で、少し危ういカラタチの枝を絡ませています。
秩序と無秩序。
内と外。
人の世界と、そうでないもの。

境界は強く主張しなくていい。
ただ、違和感としてそこに在ればいい。

……ちなみにこの煮干し、
納品前にうっかり猫に見つかりまして。
鬼より先に、現世の生き物が突破してきました。
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#柊鰯

住所

山王台8/11
Fukuyama-shi, Hiroshima
410-0035

営業時間

月曜日 10:30 - 19:00
火曜日 10:30 - 19:00
水曜日 10:30 - 19:00
木曜日 10:30 - 19:00
土曜日 10:30 - 19:00
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