15/04/2026
さて、話題のIKマルチメディアのサブウーファーが届きましたのでレビューしてみたいと思います。
※長文です!
かねてよりモニタースピーカーの大事さは何度も書いてきました。
とりわけギターの練習においても宅録やミキシングにおいても空気振動であるスピーカー再生は重要だとと言う事をお伝えしてきているのですが、どうしても家庭の自宅スペースの都合上大きなスピーカーは置くことが出来ないと言う事もあり、結構サブウーファーの設置をお勧めしてきました。
確かにデスクトップには小さなスピーカーしかおけないことから小音量における低い周波数帯域の最小力強化の面でサブウーファーを置くのは大変効果的です。
しかし迫力を求めるとどうしても大型のサブウーファーが欲しくなる・・・・・
最低でも8インチ(およそ20センチ)から10インチ(およそ25センチ)程が欲しい。
そうすると必然的にサイズは横30センチ縦30センチ、奥行き40センチほどのサイズになります。
密閉箱ならば少し小さく出来ますがバスレフモデルでは容積の関係でどうしても大きくなりがちです。
またメインスピーカーの部屋の影響を防ぐために音場補正の必要性もお勧めしてきました。
音場補正の必要性はいい音を聴くと言う目的はもちろん有りますがそれ以上に正しい音を聴くと言う部分が主な目的となります。
レコーディングスタジオでは部屋の設計段階から音響特性を加味した設計が成されますが一般住宅ではどだい無理なところです。
そのためどうしても日本の住宅では定在波の影響が大きく正しい音を聴くことが難しくなります。
それでも部屋に吸音材を貼ったりパネルを置いたりとルームアコースティックの調整を行うことで少しでもいい音を正しい音をと言う調整を繰り返してきました。
そういった中で10年ほど前から音場補正用のソフトウェアが登場しました。
有名なところではSound ID Riference IKマルチメディアのARCと言ったソフトウェアが出たことで飛躍的に宅録環境のサウンドの向上が出来るようになりました。
お金のあるスタジオではトリノフというセットで150万円ほどするスピーカーキャリブレーションハードウェアが有名ですが自宅にはそんなものは置けません。
その他デジタルのイコライザなどを駆使して補正を行っても位相や時間軸の調整は個人では大変難しくせいぜい周波数を整えることしか出来ませんでした。
そこでGenelecを始めNumann社などがスピーカー本体に調整可能なDSP(デジタルサウンドプロセッサー)を装備したモデルを出してきたことから多くのアーティストやエンジニアが採用し始めました。
しかし価格面ではどうしても高額になってしまいます。
その中でIKマルチメディア社がiLoudシリーズでコンパクトでありながら低域の再生能力に優れたモデルをリリースしました。
非常に人気で多くのスタジオのスモールモニター、マスタリングエンジニアのスモールなどで取り入れられてきました。
そして凄いのはDSP搭載で同梱のマイクロフォンで特性を計測し自動的に音場補正が出来る事で正しいサウンドを聴くことが出来ると言うことです。
そんな中一昨年iK社より同社ARCソフトウェアを活用した音場補正専用の単体ハードウェアARC Studio(現在の販売価格¥36,000程)が登場しこれまで100万円代だったハードウェアが5万円以下で入手できるようになりました。
もちろんサウンドクオリティーの違いはあります。
しかし家庭での宅録環境においては必要十分な音質であると言えます。
アンフィニでは150万円の機種もお借りして比較をしましたが補正結果はかなり近く最も近かったのはSound ID Reference ARC Neumann Genelecの順に補正の度合いが緩くなります。
何処までも緻密なトリノフ、Soud IDもそれに近く少し補正が強い感じ、ARCは少し音楽的に Neumannは極端に影響の出やすい低域を中心に全体を、Genelecは低域を中心に高域はそれほど弄らないという感じでスピーカーの特性を生かす方向に行きます。
ARC Studioの良さはスピーカーを選ばない。
手持ちのスピーカーを買い換えずに活用が出来ると言う事です。
素晴らしい世の中になりました。
しかしどうしても小型のモニタースピーカーでは最低周波数は出すことが出来ません。
さぁ、ここから本台ですが昨年発表され海外では昨年よりリリースされていましたがようやく日本でも2月から販売が開始されました。
iLoud Subというサブウーファーでサイズが幅24センチ高さ25センチ奥行き28センチとサブウーファーとしては恐ろしく小型。
そして注目なのは最低再周波数が25Hzという10インチクラスのサブウーファーでもギリギリだったところの再生が可能であること。
形状はキューブ状の外観で大きな特徴はフロントにメインの6.5インチウーファーが装備されその左右の側面に同サイズのパッシブラジエター2機を装備した密閉タイプのキャビネットであることが大きな特徴となっています。
いわゆる内圧をパッシブラジエターでコーンを駆動しています。
同じくパッシブラジエターを装備したスピーカーにはフォーカル社のシェイプシリーズ、最近ではADAMオーディオの D3Vと言ったスタジオモニターがありますがいずれもサイズに似合わない優れた低域再生能力を誇り人気があります。
今回のiLoud Subもその方式を上手く使ったスーパーローの帯域までをこのサイズから出力します。
さらにこのスピーカーの大きな特徴はDSPを搭載していること、GenelecやNeumannにもDSP搭載のサブウーファーは有りますが、いずれも同社同士の組み合わせがメインなのでどうしてもセットでの使用に限定されます。
しかし今回のiLoud Sub どんなスピーカーでも組み合わせが出来るンです。
今手持ちであるスピーカーに追加してしかもサブウーファーに搭載しているDSPでメインのスピーカーまで音場補正をすることが出来ると言うなんと緩い設計なんでしょう!
今回テストではDSP搭載のNeumann KH80DSPをサテライトに置いてサブウーファーを追加してみました。
Neumann純正のDSPとIKのARCXと言うソフトウェアの補正の違いも検証が出来ますのでそうしました。
結果としては比較的マイルドな補正がサテライトには適用されますが、癖の強い低域は結構強力に補正がされています。
グラフの青い線がデモルームの補正前の特性、いや〜定在波の影響が強力に出てしまっています。
補正無しで聴くと、アンバランスですが、オレンジのラインが補正後、結構フラットに補正されています。
実はグラフ上のこの補正、イコライザだけでこの補正ラインを作るとディップの補正は位相の影響も出てしまうのでボコボコになるんですがその補正もしっかりとされているせいか非常にすっきりと聴けます。
しかし驚くのはこのサイズで圧倒的なローの量感が出てしまうこと。
もう一つNeumannには10インチクラスのサブウーファーを接続して切り替えが出来るのですが、いやはや10インチクラスにも負けないどころが凌駕していると言ってもいいでしょう。
これで価格が¥115,000(税込み)いや安すぎるでしょう。
測定用のマイクもセットになっているので必要なのはサブウーファーから使用しているスピーカーまでのケーブル2本だけ新たにに用意するだけです。
しかもBluetooth搭載でiPhone等を接続して聴くことも出来ます。
また専用のARCXソフトウェアには面白い機能があって、各社の有名どころのスピーカーシステムをエムレーとして聴くことが可能なんですね。
手持ちのスピーカーとは異なる例えば往年の名器NS10MっぽいサウンドやKRK,ATC,Barefootっぽいサウンドなど高くて買えないスピーカーっぽいサウンドやスマホ、テレビと言った再生機器のサウンドをシミュレートすることも出来るンですね。
これは自分が作ったサウンドがスマホで聴かれたとき、テレビのスピーカーで聴かれた時を想定出来るのでミキシングなどの参考にも出来るんですね。
便利です。
最近IKマルチメディア社はとんでもない価格破壊をしてくるのでビックリです。
これからサブウーファーを検討していたり小さなスピーカーでどうしても低域が物足りないという方は是非このiLoud Sub検討してみてください。
別にアンフィニで売るわけではないのですが音楽の制作、リスニング、そして最大はアコギのラインサウンドを正しく聴けるこれにつきます。
練習にも大いに役立ちますので是非!
ちょっと長文でしたがとりとめなく書いてみました。
要は凄い! と言う事です。
店主も少しビックリしました。
しばらくはこのサウンドを堪能して見ます。