25/01/2026
「ずっと追い続けられる」画面を求めて
- 今さらだけど、ここでいう「水彩」って具体的にはどういう手法なのかな。和紙で描いていた時は日本画の顔料を使っていたんですか?
佐直
使っていました。和紙に日本画の顔料。初期の頃は和紙に透明水彩を使っていたんですけど、発色がよくなくてやめました。今は和紙に描く時は顔彩とか、水干絵具とか、岩絵具を使っています。
- それはやっぱり日本画の延長にある手法ですよね。それとまた、今使っている水彩は違う?
佐直
似ているところもあると思う。水性絵具で、水でシャバシャバに薄めて使えるところとか。
- 日本画の素材や技法から、水彩に変わってきたのはどうしてでしょうか?
佐直
透明水彩で、水でめっちゃ薄めた色からすごく濃く溶いた色の幅で描く感覚が面白かったというか。なんだろう、あと、うーん … もともと、スケッチは透明水彩でやっていて。
日本画って、やっぱり色を作るのにも、すごく時間がかかっ
て、何をしようとしていたかわかんない(笑)。この色を塗ろうって思った時に絵具を砕いて、膠を作って、絵具を溶いて … みたいな。水彩はけっこう反射で色を塗れるところがあるので、その速さは必要だったかなって。 結局、今は下絵もなく、輪郭線だけでまず空間を埋めていって、そこに明るい色から塗っていくんですけど。ちょっとずつ、色同士の反応を楽しみながら、描いているところがあって。
- 描きながら絵が作られていくと。
佐直
そう、そうなんですよ。 この色を塗ったら雰囲気が変わったからこっちにはこの色を塗っていこうみたいな感じで。反応としてやっている感じがあって。
- 今回の作品は画面を見るとまず、鮮やかな色と形が次々に目に入ってきて、細部をよく見ていくと、絵具の滲みも見えてくる。そういう質感は意識されていますか?
塚本
滲みはネガティブではないってこと?
佐直
そう、最初は要らないかもと思っていたんですけど、何点か
作っていって、あ、これ水彩なんや、みないな引っ掛かりがある方が…、ただ、そうだと思ったくらいで、あまり意識せず、絵具の粒子がちょっと粗めだとこうなりやすかったとか、絵具の特徴もあって。元々、日本画も粒子によって表情があって、絵の要素として面白いところだなと思ったので、よいかと。 全部マットになっていなくてもということで、(滲みも)残していこうみたいな。
塚本
立体的な奥行きを感じるところの要素になってるのかもしれないね。
佐直
結局、なんですかね。物、物質が好きなので。質感は欲しい。
塚本
滲んでないところと滲んでいるところがあって、そこも意図的というか、出たところOKみたいな?
佐直
滲みばっかりの面は作らないようにしようっていうのはあるかも。 ここはこの粒子が粗めのところで表情をつけて描こう、ここはフラットになるように粒子細かめの水彩で描こう、みたいなのはあって、使い分けている。 表情が一緒になりすぎると飽きるので、やっぱり見ていて飽きない、ずっと追い続けられる、みたいなのが欲しいなと思っている。