09/09/2026
金沢で見た工芸品の中で、
今も印象に残っている作品があります。
池田晃将氏の漆芸作品です。
漆や螺鈿という伝統技法でありながら、
そこに描かれていたのは数字や情報空間を思わせる世界。
伝統工芸なのに未来を感じる。
その不思議な感覚に、
「カッコいい」「欲しい」と自然に思いました。
一方、神戸では真珠会館再整備のニュースに触れました。
神戸は世界有数の真珠集積地ですが、
正直なところ私自身も最近になって
その価値を深く知り始めたばかりです。
以前ある真珠商の方が
「いつでも真珠を美しく見せられるよう白いシャツを着ている」
と言っていたことも思い出しました。
今回、金沢と神戸を行き来しながら気づいたことがあります。
文化は「ある」だけでは残らない。
金沢ではタクシードライバーさんが自然に前田家の話をし、
卯辰山工芸工房では若手作家を育てる仕組みがありました。
歴史や文化が市民の日常に溶け込んでいます。
神戸にも真珠、港、洋菓子、スポーツなど、
価値ある「タイル」はたくさんあります。
しかし、その価値を知らなければ、
タイルは少しずつ色あせ、時には剥がれ落ちてしまいます。
だからこそ大切なのは「目地」の存在なのかもしれません。
価値を知る人。
価値を伝える人。
異なるタイル同士をつなぐ人。
私が最近考えている「モザイクアートのような神戸」の目地です。
まずは自分自身が知ること。
本物に触れること。
そして「これはカッコいい」「残したい」
と思えるものを見つけること。
真珠産業の話から始まりましたが、
結局は自分の審美眼を磨く話に行き着きました。
モザイクアートを美しく保つには、
タイルだけでなく目地の質も問われる。
神戸のやさしい目地になりたいと思うなら、
まずは自分自身を磨かなければ。
そんなことを、
金沢で出会った漆芸作品と神戸の真珠産業から考えています。
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