12/09/2026
【-9/13】マツダキカ個展「続けていること」
マツダキカさんのドローイング展はいよいよ明日まで。
マツダさんの絵を説明するのは難しいけれど、説明しようとするのをやめて、絵のまえであれこれ思ったり、連想的に何かを思い出したり、それを居合わせた人と話したりするのは楽しい。たとえばSFやファンタジーに登場するヒューマンスケールを大きく超えた建物や乗り物への畏怖と憧憬、子どものころに用途もよくわからないマシーンに感じた不可解さ、複数の次元を隣り合わせて自然に橋渡ししてしまう映画や小説のこと。子どもの頃はいろんな物体に「顔」を見出していたこと、衣類の繊維をじーっと眺めてそのパターンを見飽きなかったこと、『ツイン・ピークス』のレッド・ルームの唐突さとそのリアリティ(というか、それに象徴されるような感触)を個人的には思い出したり、マクロとミクロを自然に行ったり来たりするマツダさんの絵からいろんな連想が浮かぶ、それを転がしている時間がとても豊か。建物や物体の断面図のような絵が何点かあって、断面図というのは正面から見ているモノを真横から見るとか、普段の視点と別のパースや別のメディアの視点で世界を見るということで、それは自分のなかで作り上げた物語というよりも、むしろこの世界のもう一つの実態やリアリティ、感触に触れて、ほとんど忘れていたけれどそもそも知っていたことを思い出す/あるいは拡張するような感じに近い。遠い過去にもずっと未来にもあり得たようなイメージ。
細やかな線が幾重にも広がる特長的なドローイングとともに、刺繍作品も今回並べてくださっています。こちらも作風は変わらないけれど、布にカラフルな糸が通るだけで自然とその作品に柔らかさが生まれています。絵も刺繍も、とてつもない集中力だなと見ていると思うけれど、本人は案外といろんなことの合間に進めているという。
作品はもちろん、普段から作品を書きためている無印のノートブックを(紙の薄さまで)そのままに再現したzine『note』『PAGE』も販売中。こちらもぜひ手に取ってご覧ください。エッセイ漫画的な旅行記も、非売ですが直筆作品をご覧いただけますのでこちらもぜひ。会期の最後までご来店お待ちしています。