Antiqueスピカ

Antiqueスピカ ◎店名:Antiqueスピカ(since1996)
◎現在、実店舗はなく、イベントとSNSのみで販売中です。

はじめまして。古物商店スピカの店主の鶉屋(ウズラヤ)と申します。

店名Antiqueスピカsince1996
コロナ禍の海外旅行の抑制と影響がなくなるまで実店舗は2021年に撤退。
しばらくWEBと古物のイベント出店のみでの営業となります現在、DMとメールだけでの取引となります。電話での対応は出来ません

*インスタグラム
https://www.instagram.com/antique_spica/

1977年 四国のおもちゃ 郷土玩具 芹沢銈介 宮内フサ 加藤増夫 石井直矢✳︎書籍名:四国のおもちゃ✳︎著者:文・加藤増夫(鳩笛庵)/ 写真・石井直矢✳︎装幀・題字:芹沢銈介(人間国宝)✳︎発行所:四国新聞社✳︎発行年月日:昭和52(19...
02/09/2026

1977年 四国のおもちゃ 郷土玩具 芹沢銈介 宮内フサ 加藤増夫 石井直矢

✳︎書籍名:四国のおもちゃ
✳︎著者:文・加藤増夫(鳩笛庵)/ 写真・石井直矢
✳︎装幀・題字:芹沢銈介(人間国宝)
✳︎発行所:四国新聞社
✳︎発行年月日:昭和52(1977)年3月23日 初版
✳︎仕様:143ページ / 22cm×19cm / 函・帯付
✳︎特徴:扉に徳島伝統の「阿波うだ紙」使用。表紙・函は宮内フサ作「高松張子 振り槌」の芹沢デザイン。

【目次】
・序(外村吉之介/宮尾しげを/斎藤良輔)
◎さぬきのおもちゃ(デコもらいの土俗、ほうこ、はり子いろいろ、大型はりこ人形、ヨネズ、破魔弓と張り鶴、土焼きおもちゃ、凧あれこれ、面拝々相、相撲はりこ、はりこびな)
◎あわのおもちゃ(宮内塩の栄吉、切り紙鯛あみ船、丸亀の住吉さん、うそかえ神事、滝宮念仏踊り、こんぴらでこ、こんぴら鈴、こんぴら犬、あねさま、屋島の山かご、祭礼おもちゃ、染川さき石人形、獅子がしら、阿波大津人形、天狗久を訪ねて、天狗久のお染)
◎いよのおもちゃ(松山ん晴起き上り、松山土天神、姫天神のこと)
◎とさのおもちゃ(土佐の相合傘、女起き上り、土佐風俗人形、杉野九甲翁と私)
・人形とともに人間を愛す(杉野九甲)
・宮内フサ特集 / 収録図版一覧 / 所蔵者一覧 / 著者紹介

四国の土の匂いと、手が覚えているぬくもり。
人間国宝・芹沢銈介が手掛けた装幀を開くと、そこはもう昭和の四国玩具の深遠な小宇宙です。

高松張子の伝説・宮内フサさんの「振り槌」をはじめ、奉公さん、太鼓叩き、宇和島の牛鬼、阿波のデコ人形や天狗久の頭、鯨車まで。石井直矢氏の冴えたレンズと加藤増夫氏(鳩笛庵)の滋味あふれる文言が、消えゆく土着の美を鮮やかに掬い上げています。扉の阿波うだ紙の質感まで愛おしい。

民藝の眼と郷土玩具への愛が美しく結実した、棚に差しておくだけで誇らしい四国の玩具を追う蒐集家なら、この佇まいには抗えないはずです。

【検索ワード】
#郷土玩具 #宮内フサ #芹沢銈介 #加藤増夫 #鳩笛庵石井直矢民藝
四国のおもちゃ 加藤増夫 高松張子 奉公さん 鯨車 牛鬼 天狗久 阿波人形浄瑠璃 土佐凧 姫だるま 郷土玩具 民藝 外村吉之介 斎藤良輔 牧野玩太郎 薗部澄 坂本一也 有坂与太郎 清水晴風 西沢笛畝 畑野栄三 川崎巨泉 柳宗悦 吉田璋也 バーナードリーチ 福缶 IDEE うなゐの友 古道具 folktoy 日本民藝協会

【メモ】これは 《酢の奥ゆき》というより、“酒好きがやがて、いつかたどり着く場所”なのかもしれない。今迄の自分にとって、こだわりの酢は、あくまで料理の為の脇役のはずだった。お洒落なセレクトショップでも棚の高いところにある、千鳥酢さん、名前に...
25/08/2026

【メモ】これは 《酢の奥ゆき》というより、
“酒好きがやがて、いつかたどり着く場所”
なのかもしれない。

今迄の自分にとって、こだわりの酢は、あくまで料理
の為の脇役のはずだった。

お洒落なセレクトショップでも棚の高いところにある、
千鳥酢さん、名前に愛着のある鶉酢さん。

行事の特別な料理を作る煮物の隅っこで、じっと
その日まで出番を待つ優等生。

そんな存在でした。 

しかし

事件というのは、ある日ふらりとやってくるものです。

赤/白のワインビネガーだの、バルサミコだの、
横文字の、少々気取った連中が、うちの台所に
転がり込んできました。

「ほほーっ、これを飲むのかい?」

疑ってかかるのも無理はない。
酸味の酸っぱい、高級なそうな酢を飲むなんて、
どこかで罰ゲームの類だとばかり思っていたのだから。

ところが、炭酸水で割って、一口ゴクリ。

頭の奥で、小さく鐘🔔が鳴った。

ツンとくる、あの意地悪な酸っぱさとは違う。
ぶどうの皮の香りが鼻を抜けて、爽やかさが
後を追ってくる。

これはもしかすると、アノ酒に通じる
悦びなんじゃないか?

考えてみれば、道理である。ワインビネガーは、
ワインのなれの果て。

バルサミコは、ぶどう果汁を煮詰めて、
気の遠くなる歳月、樽で寝かせたもの。

つまりこの連中は、たどれば酒飲みの親戚筋に
あたるわけだ。

自分の大好きな食後酒の上等につくられたグラッパを
飲むのと、同じくらい好きになりかけている。

だから、🥃ロックでやっても、案外様になる。

ハイボール気分で🥤炭酸割り。

食後の一杯として、少々大人ぶってみるのもいい。

様々な気分を味わいながら、台所は、いつの間に
やら小さな実験酒場になっていた。

オリーブオイルと組ませればドレッシング。
ステーキ肉のソースに蜂蜜と一滴垂らせば、
隠し味どころか主犯格。

瓶のラベルを眺めながら
「今日はどの酸味で鼻口をくすぐろうか?」と思案する
時間は、晩酌の予行のようなものになってきた。

上品に料理を仕上げる案内人だと思っていたら、
いつの間にか、晩酌の仲間になっていた。

酢の奥ゆきを知るというのは、自分の「うまい」の
間口を、そっと広げてもらうことなのかもしれない。

この醸造ビネガーとは、生真面目な優等生の顔をした、
なかなかの遊び人なのである。

【🍡甘味メモ】地震や台風など、なにかと気ぜわしい知らせが増える季節になりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。「あそこの酒まんじゅうは、ちょっと別格だから」と、この街の食通たちが静かに指をさす名店があります。杉並区荻窪の天沼にある「高橋...
29/07/2026

【🍡甘味メモ】地震や台風など、なにかと気ぜわしい知らせが増える季節になりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

「あそこの酒まんじゅうは、ちょっと別格だから」と、この街の食通たちが静かに指をさす名店があります。

杉並区荻窪の天沼にある「高橋の酒まんじゅう」。

じっとりと暑い日、仕入れの途中にふと思い立って立ち寄りました。

膨張剤も添加物もつかわない、麹のちからだけで自然発酵させた昔ながらの手づくり。

だから翌日には皮が少し硬くなるのですが、それがいかにも「生きている和菓子」という感じがして、なんだか愛おしいのです。

店構えも気負いがなくて、ふらりと散歩の途中に立ち寄りたくなる佇まい。

もしお近くに行かれる機会がありましたら、ちょっと覗いてみてください。

ちなみに、夏場におすすめの愉しみ方がありまして。
買い込んできた酒まんじゅうを、そのまま冷凍庫へ入れておくんです。

食べる直前に出して、ほんの少し置いた「半解凍」の状態で口へ運ぶ。

皮はもっちりとした歯ごたえが残りつつ、中のあんこがひんやりシャリッとしていて、まるで上質な冷やし和菓子をいただいているような心地になります。大人のささやかな夏の楽しみに、ちょうどいい塩梅なのです。

日常の隙間に、こういう飾らない美味しさがあると、なんだか嬉しくなりますね。

【店舗情報】
高橋の酒まんじゅう
東京都杉並区天沼3-1-19
電話:03-3220-2103
※寒い時期(秋〜春)にはすぐに売り切れてしまうことが多いので、あらかじめ☎️電話で在庫を確認してから足を運ぶのがおすすめです

25/07/2026

《いよいよ本日より始まります!》
最近、密かに郷土玩具に関心が出てきたと感じてる方、骨董市、蚤の市フリークの皆さんも、古物商の面々も、郷土玩具の可愛さに目覚めた全ての貴方(あなた)へ

全員が両手いっぱいに福を抱えて帰ることとなる、特別な8日間です。

この熱気を五感で味わいに、ぜひ浅草橋へ足を運んでみてください。

◉開催期間
7月26日(日曜日)から 8月2日(日曜日)まで
◉開催時間
10時から17時まで
(※最終日8/2のみ15時まで)
◉特別セール
8月2日 日曜日 《10時から15時は全品半額セールを開催》
◉会場
吉徳 浅草橋本店 4階特設会場
◉主催
日本郷土玩具の会

To all lovers of Japanese culture and antique hunters!
This is the ultimate shopping event—a once-in-a-decade, must-see occasion you absolutely cannot miss!
For just 8 days, Asakusabashi transforms into a treasure hunter’s paradise, packed to the brim with thousands of authentic vintage Japanese folk art toys and rare clay figurines.
If you love the unique aesthetics of Japanese folk art, this event is a dream come true.
A vast selection of historic, handcrafted masterpieces—each considered a symbol of good luck—is available at unbelievably amazing prices!
Missing this event means missing out on the best finds ever. You’ll definitely regret it if you don’t attend!
Come on the first day to snag an ultra-rare piece, or join us on the final day to experience the frenzy of our legendary clearance sale.
Discover the essence of Japanese folk art and get ready to take home the ultimate, one-of-a-kind souvenir!

◉Event Name
Traditional Japanese Folk Toys Mega Sale
Dates
July 26 (Sun) – August 2 (Sun)
Hours
10:00 AM – 5:00 PM (Closes at 3:00 PM on the final day)
Special Offer
50% OFF all items from 10:00 AM to 3:00 PM on the final day (Sunday, August 2)
Venue
Yosh*toku Asakusabashi Main Store, 4th Floor, Special Event Hall
Address
1-9-14 Asakusabashi, Taito-ku, Tokyo (Right next to Asakusabashi Station)

◉検索ワード
#民藝
#郷土玩具
#蚤の市
#骨董市
#古物商

【メモ】商売が厳しいときほど、出来るなら「すぐ儲かる話」に飛びつきたくなりますよね。でも、すぐ役に立つものは、すぐ役に立たなくなってしまうんだそうです。効率や正解ばかり探して息が詰まりそうな今、「失敗したっていい。遊んで学べ」というアラマタ...
21/07/2026

【メモ】
商売が厳しいときほど、出来るなら
「すぐ儲かる話」に飛びつきたくなりますよね。

でも、すぐ役に立つものは、すぐ役に立たなく
なってしまうんだそうです。

効率や正解ばかり探して息が詰まりそうな今、
「失敗したっていい。遊んで学べ」という
アラマタ先生の言葉が、じんわり心に効いてきますね。

とくにハッとさせられたのが、
「0点には『勉強不足の0点』と『答えのない課題に挑んだ0点』がある」という教え。
後者の0点こそが、本当の知性を育てる。
人生死ぬまで恥のかき通しなんだから、
他人の目を気にして諦めるくらいなら、
カッコ悪くても自分の「好き」やニッチを掘り下げていきたいものです。
一見すると不器用に見えるその時間が、
じつは、だれにも真似できない
「自分だけの強み」を育ててくれるのだと気づかされます。
先が見えない時代だからこそ、
目先の損得を少し手放して、
面白がりながら、しぶとく生き抜いていきたいですね。
『すぐ役に立つものは、すぐ役に立たなくなる』荒俣宏 著

07/07/2026

【メモ】昭和48年(1973年)、原宿・表参道の交差点に位置していた「セントラルアパート」。

 そこは、若きクリエイターたちが熱気とアイデアを持ち寄り、日本の新しいポップカルチャーを文字通り生み出していた拠点でした。

今回、4Kデジタルリマスターで鮮やかに蘇ったNHK『新日本紀行』の映像には、当時の熱量をそのままに体現するフリースタイリスト「原宿のヤッコさん」こと高橋靖子さんの姿が取材されています。

 1970年代初頭、セントラルアパートの459号室。そこを拠点に活動していたヤッコさんは、まだ「スタイリスト」という職業名すら世間に浸透していない時代に、直感と情熱だけで服を選び、時代をコーディネートしていました。

映像の中で彼女が語る言葉、あるいはアパートの廊下を行き交う人々の足取りには、何かが始まる前夜の、あの独特な「もぞもぞとした」気配が満ちています。

 当時の原宿は、今のようにお仕着せの流行が整然と並ぶ街ではありませんでした。

セントラルアパートの周辺で、日本初のブティックや「MILK」が産声を上げたとき、大人たちは「こんなちっぽけな角っこで、一体何が始まるんだ」と見ていたといいます。

 しかし、その小さくて新しい違和感こそが、のちに日本中を巻き込むファッションカルチャーの地殻変動の始まりでした。

映像に映る「MILK」の店内は、身動きが取れないほどの熱気に満ちています。

 原宿に押し寄せた若者たちは、ただ服を買いに来たのではありません。

そこにある「まだ誰も名付けていない新しさ」を、肌で呼吸しに来ていたのです。

 ひるがえって、現在の原宿はどうでしょうか?

世界中の巨大資本が看板を競い合い、SNSでバズった記号化されたトレンドが時系列で瞬時に消費されていく。

 すべてが便利で、洗練され、そしてどこか予測可能になっています。

高画質な4K映像が私たちに見せてくれるのは、単なるノスタルジーではありません。

 私たちがいつの間にか手放してしまったかもしれない、「根拠はないけれど、ここから何かが変わる」という、あの時代の若者たちが持っていた確信と、手探りの自由さです。

効率やマーケティングという言葉で綺麗に舗装される前の原宿。セントラルアパートというひとつの建物から溢れ出したあのエネルギーは、今のデジタルな街角にも、まだ形を変えて潜んでいるのでしょうか?

ヤッコさんの鮮やかな衣装と、当時の若者たちの鋭い眼差しが、時を超えて私たちにそう問いかけています。

#セントラルアパート

【商品メモ】いつの頃からから、手元にあって、なんだか気になって、でも生まれも、どこから来たのかも分からなかった木彫りのタヌキ。先日、古本屋の隅っこで見つけて購入した昭和31年発行の『日本郷土図観』という古い本を、パラパラとなんの気なしにめく...
06/07/2026

【商品メモ】いつの頃からから、手元にあって、なんだか気になって、でも生まれも、どこから来たのかも分からなかった木彫りのタヌキ。

先日、古本屋の隅っこで見つけて購入した昭和31年発行の『日本郷土図観』という古い本を、パラパラとなんの気なしにめくっていたんです。

そうしたら、いた。 嗚呼、この「タヌキ」だ。

滋賀県の「醒井木彫/さめがいきぼり」という、農家の人たちが農閑期に副業で作っていたものだそうです。

本を開くと、お腹のまわりをぐるぐると巡る杉の年輪も、ちょっととぼけたその目元も、まぎれもなくうちのタヌキの仲間たち。

生まれた場所と呼び名がはっきりと分かって、霧が晴れたような気持ちです。

しかも、背中に書かれた「茂林寺」というお寺の名前まで、本に載っている姿と見比べながら完璧に紐付けができました。

そうか、きみはやっぱり「文福茶釜」のタヌキだったのね。
名前と生まれた土地の線がつながって、何だかうれしかったんです。

さて、きみは、いつ頃、滋賀県で生まれたのか?
その詳しい誕生については、今後の調査できっとたどり着けるでしょう。

産地や名前が分かったからといって、このタヌキが急に偉くなるわけでもありません。

だけど、正体が分かった瞬間に、タヌキの後ろに滋賀の静かな風景や、かつてノミを握っていた名もなき職人さん、そしてお伽話の世界までが、急に立体的になって立ち上がってくる。

点と点がつながったような、そんな小さな多幸感でした。

◉ 「醒井木彫/さめがいきぼり」についてのその後の調査。

大正から昭和初期。

日本中が「郷土玩具」の熱いブームに沸いていました。

都会の蒐集家たちがこぞって
「地方に眠る、素朴で誰も知らない良いもの」
を血眼になって探していた時代です。

そんな熱気のなか、滋賀・醒井の農家の人たちは、
冬の厳しい農閑期にノミを握り、静かに立ち上がりました。

「よし、うちの自慢の杉材を使って、誰も見たことのないものを彫ろう!」

そうして結成されたのが醒井木工芸組合でした。

子どもをあやす玩具じゃない。
「杉の年輪のうねりを、どうやって一番美しく見せるか」という、職人たちの意地と遊び心が詰め込まれた、大人を愉しませる工芸彫刻の誕生です。」

ここで生まれた作品たちは、大きくふたつの系譜に分かれていきました。

ひとつは、時代の節目を記録した記念碑的な人形の系譜。

昭和天皇即位の記念に、滋賀県が名誉ある主基地方に選ばれたことを祝して作られた「悠紀人形」は、その国中がお祝いムードだった瞬間の空気感を、ぎゅっと木の中に閉じ込めた高雅な佇まいを持っています。

もうひとつは、お伽話や自然の生きものをユーモラスに表現した変身玩具の系譜。

茶釜に変身するカエルを象った「きやがま蛙(茶釜蛙)」は、まさに醒井木彫の代名詞となったユーモアの塊です。

そして、お腹のぐるぐるした年輪をそのまま茶釜に見立てた「茂林寺の文福茶釜狸」。

背中にはお寺の名前まで裏付けの墨書が入っている。当時のコレクターたちが目を輝かせて唸る姿が、ありありと目に浮かびます。

しかし、醒井木彫のドラマは冬の閉農期の副業だけでは終わりませんでした。

ここからさらに純粋芸術の領域にまで突き抜けていくことになります。

その道を切り拓いたのが、滋賀県米原市上丹生・霊仙山の麓に広がる山あいの集落で生まれた森大造さんでした。

明治33年に生まれた大造さんは、醒井木彫の伝統技術をスポンジのように吸収したのち、東京高等工芸学校(現在の千葉大学工学部の前身)を卒業して本格的な現代彫刻の道を歩みます。

伝統の木彫技法に西洋彫刻の立体美を融合させ、日本最高峰の美術展である帝展や日展に何度も入選。

戦後も一貫して木彫の可能性を追求し続け、昭和63年に没するまで三越などの晴れ舞台で個展を開催し、国内随一の美術彫刻であることをその生涯をもって証明し続けました。

彼がノミで引いた一本の太い線によって、醒井の木彫は芸術へとステップアップを果たしたのです。

あの日の技術と情熱は、今も醒井の街に
ちゃんと息づいています。

地蔵川のせせらぎが美しい中山道の宿場町には、全国でもめずらしい醒井木彫美術館が建ち、その超絶技巧を引き継ぐ現役の仏師の職人さんたちが暮らしています。

伝統的な仏像、仏壇や神輿を彫る一方で、いまの暮らしに溶け込むモダンなインテリアを、やっぱりノミ一丁で生み出しているんです。

かつてマニアを楽しませた文福茶釜狸の遊び心と、大造さんが突き詰めた彫刻家のプライド。

そのふたつが心地よく交差し、混ざり合いながら、醒井の木彫は今日もトントン、と小気味いい音を立てて、未来へ向かって彫り進められています。

#醒井木彫  #森大造  #森望  #茂林寺 #文福茶釜

これを手にして、ちょっと🤏びっくりしました。かれこれ沢山の木彫の郷土玩具を見てきたけれど、こんなに小さな円盤の上に「これでもかっ」ていうくらい鳥たちがひしめき合っている山形の笹野一刀彫を初めて見ました。横に五百円玉を置いてみると、その尋常じ...
28/06/2026

これを手にして、ちょっと🤏
びっくりしました。

かれこれ沢山の木彫の郷土玩具を見てきたけれど、
こんなに小さな円盤の上に「これでもかっ」て
いうくらい鳥たちがひしめき合っている
山形の笹野一刀彫を初めて見ました。

横に五百円玉を置いてみると、その尋常じゃない
スケール感がよくわかります。

直径わずか7センチ。その中に、なんと
7体もの意匠がぎゅっと身を寄せ合っているんです。

近代の名工の作というよりは、もっともっと昔の、
名も知られていない職人の手によるものかも知れません。

もしかしたら、当時の誰かが「うちの家族のために」
と、わざわざ職人に頼み込んで作ってもらった特注品
なんじゃないの?と思えてきます。

クロ鷹とアカ鷹の🦅夫婦。
それを取り囲むように佇む、鶏🐓や長孔雀🦚。
その足元に寄り添う、3体の小さな雛鳥🐣たち。
その絶妙な構成を見ていると、当時の依頼主の
「家族構成」や「子供たちへの想い」を
そのまま形にしたようにも見えてきます。

この小さな世界の中に、一体どんな願掛け
や家族への思いが込められているのか。

なんだか、当時の職人さんを知っている人が
いらっしやったら、じっくり訊いてみたくなりますね。

台座の裏をひっくり返すと、彼らがバラバラに
ならないように、しっかり固定された4つの
ホゾ跡が残っている。

そんな見えない工夫の跡を見つけて、うれしく
なってしまうのです。

量産品ともちょっと違う。誰かが誰かのために
作らせた、ささやかな暮らしの記憶が、
この場所にそっと残されている。

傷だらけの台座を見つめていると、古いものを
探すのは面白いと、しみじみ思ってしまいました。

【郷土玩具メモ】
◻︎名称: 古代 笹野一刀彫 縁起組み物(作者不詳)
◻︎意匠: 円形台座の上に、中央の黒鷹、背後の赤鷹、手前の長孔雀、鶏、そして3体の極小の雛鳥と背後の笹野花(計7体)が配置された、大変珍しい組み物形式。
◻︎意味合い:
・鶏: の如く早起きし
・お鷹ポッポ(黒鷹・赤鷹): の如く禄高(身代)を増し
・長孔雀・雛鳥(3体): の如く子孫繁栄し
・笹野花: を神仏に供え感謝の生活をする
◻︎サイズ:
台座の直径は約7cm。五百円硬貨(26.5mm)と比べると、そのちいささと密度が際立ちます。
一番大きなお鷹ポッポでも高さ約6cm、足元の雛鳥たちはわずか1cm強という極小スケールです。
◻︎材料・技法: 野生の喬木「アブラコ(コシアブラ)」を使用。「サルキリ」や「チレ」と呼ばれる独特の刃物を用いて一気呵成に彫り削り、素朴な色彩を施す伝統技法。

【商品メモ】PRという発明が1951年、もう日本でも完成されていた。「商業デザイン全集」第2巻。亀倉雄策、河野鷹思、山名文夫‥。名前を並べるだけで背筋が伸びる編集委員が机を囲み、世界中のポスターと雑誌表紙を浴びるように集めた、視覚資料集。ス...
21/06/2026

【商品メモ】PRという発明が1951年、もう日本でも完成されていた。「商業デザイン全集」第2巻。
亀倉雄策、河野鷹思、山名文夫‥。

名前を並べるだけで背筋が伸びる編集委員が机を囲み、
世界中のポスターと雑誌表紙を浴びるように集めた、
視覚資料集。

スイスの宝籤、フランスのユネスコ、日本の銀行広告。
戦後日本のグラフィックデザインの熱が、紙の上で
まだ熱を保っているようです。

PRという言葉がまだ輸入されたばかりだった時代。
その熱量が、そのまま一冊に圧縮されています。

ページをめくる手が、止まらなくなる。

E. McKnight Kaufferが描いた、静かな少女の横顔。
A.M. Cassandreの、迷いのない幾何学。
Hans Erniの、空を切る鳥。
BOACの航空路線図は、まるで星座のよう

海を越えた巨匠たちの仕事は、もちろん圧巻。
でも、この本の本当の主役は、彼らと並走する
日本のデザイナーたちなんです。

たとえば、山名文夫。

資生堂の意匠部で、あの「資生堂書体」を生んだ人。
本書の編集委員でもあり、PRポスター「野村證券」
の頁にも、その筆致が静かに息づいています。

たとえば、早川良雄。

大阪・近鉄百貨店のポスター「秀彩会」で、
着物姿の女性を平面的な色面で構成。
写実とデザインの間を、軽やかに
飛び越えてみせた一枚です。

たとえば、今竹七郎。

ラジオ局のPR、観光ブックレットの表紙‥。
生活に根ざした実務デザインの第一人者として、
本書のあちこちに名前が刻まれています。

たとえば、伊藤憲治。

NHKラジオの「明るい生活 楽しいラジオ」。
鳥籠と小鳥を使ったメタファーは、
戦後復興期の空気そのもの

たとえば、栗谷川健一。

北海道開発博覧会のポスター。雄大な自然を背景に、
人物を大胆にレイアウトする構成力は、
観光ポスターという分野の可能性を広げました。

そして、この本を作った編集委員そのものが、
もう一つの読みどころ。

亀倉雄策、河野鷹思、原弘、土方定一、
勝見勝、小池新二、滝口修造。

顧問には、今和次郎、恩地孝四郎、
杉浦非水、和田三造。

もう、これだけで一本の展覧会が
成立してしまうメンバーです。

国連の平和運動から、銀行の貯蓄広告、
観光地ポスターまで。
テーマは大きく振れる。けれど通底するのは、
戦後という時代がデザインに託した「伝える力」
への信頼。

クリシェ集のページに並ぶ🐞昆虫や🐠魚の図版すら、
当時の実用美術の精度を静かに物語っています

発行は、ダヴィッド社。

今ではほとんど語られることのない出版社ですが、
その仕事ぶりは、この一冊にしっかりと刻まれている。

外装のヤケと傷みは、時代を生きた証。
中身のグラビアは、驚くほど鮮やか。
資料性、史料性、ともに高い一冊です。

✂︎…✂︎…✂︎…✂︎…✂︎…✂︎…

◻︎書籍名:商業デザイン全集 第2巻「PR篇」
発刊日:昭和26年10月9日初版発行(本書・三版発行)
◻︎編集:商業デザイン全集編集委員会
◻︎編集委員:新井泉/原弘/土方定一/今竹七郎/勝見勝/亀倉雄策/河野鷹思/小池新二/滝口修造/山名文夫
◻︎顧問:今和次郎/宮下孝雄/恩地孝四郎/杉浦非水/和田三造
◻︎発行人:遠山直道
◻︎ページ数:185p
◻︎発行所:株式会社ダヴィッド社

《目次》
第一章 PRとは
第二章 国際社会とPR(国連・ユネスコ・国際博覧会)
第三章 選挙・国民投票・政治PR
第四章 交通・観光PR(鉄道・航空・観光案内)
第五章 金融・保険のPR
第六章 百貨店・ファッションのPR
第七章 放送・メディアのPR
第八章 雑誌・出版物の表紙デザイン
第九章 企業カタログ・社内報・販促物
第十章 図案・素材集(クリシェ)
巻末:編集委員・顧問一覧/協力者一覧/奥付

✂︎…✂︎…✂︎…✂︎…✂︎…✂︎…

気になった方はDMください。
お待ちしてます📩

#亀倉雄策 #河野鷹思 #山名文夫 #原弘 #杉浦非水

【商品メモ】かつて、九州の炭鉱町で、一人の少年がカメラを握りしめていた。  それは、まだ何者でもなかった鋤田正義の、すべての始まりの風景。映画館へ通うために、自転車で往復100キロの道のりをただ、ペダルを漕ぎ続けた。ある日は、マルロン・ブラ...
14/06/2026

【商品メモ】かつて、九州の炭鉱町で、
一人の少年がカメラを握りしめていた。

それは、まだ何者でもなかった
鋤田正義の、すべての始まりの風景。

映画館へ通うために、自転車で往復100キロの
道のりをただ、ペダルを漕ぎ続けた。

ある日は、マルロン・ブランドを観るために。
またある日は、ジャン・コクトーの、
ルイ・ブニュエルの、あの不条理で、どこか
ひどく美しい「シャッターの向こう側」に
触れたくて、少年はただ、好奇心と暗闇を求めて
走り続けた。

少年は後に、ロンドンやニューヨークで
デヴィッド・ボウイやジム・ジャームッシュといった
時代の怪物をファインダーに捉えることになる。

時代の最先端を走る怪物たちが、
日本の片田舎から来た物静かな男の前で、
剥き出しの素顔を晒している。

みんな、不思議に思うわけです。

彼が一体、どんなスタジオで猛烈な修行を積んで
こんな仕事をこなしてきたのか?

どんなハードで恐ろしいテクニックを、彼は
アメリカやロンドンの地で磨き上げたのか?‥と。

しかし、鋤田正義の「修行」というのは、誰もが
思い描くような、どこかの高名なスタジオで床を
掃き、巨匠の機材を運ぶといった、いわゆる
「型通りの苦労」とは、少しだけ手触りが違っている。

彼の修行は、もっと孤独で、もっと純粋な、
視線の実験だった。

1ドルが360円だった時代、情報も現代の
足元にも及ばないくらいに薄かった頃。

彼は思い立って会社を辞めて、ニューヨークへ飛んだ。

目的は、ウッドストックの熱気を肌で感じ、
マックス・カンザスシティという奇跡のような
クラブの空気を自分の目で見つめること。

ただ、それだけ。

誰も知り合いのいない街で、彼はただカメラを
肩からぶら下げて歩き続けた。

それが彼の、本当の「修行時代」だったんだと思う。

言葉が完璧に通じるわけじゃない。
育ったカルチャーの巨大な壁もある。

その中で、彼が最大の武器にしたのは技術ではなく、
彼の「人間性」そのものだった。

鋤田の根底にあるのは、恐ろしく間口の広い
「多様性」と「フラットさ」だ。

1960年代のメンズファッションの広告黎明期から、
寺山修司監督の前衛映画の撮影まで、
あらゆる現場を拒まず同じ目線で「おもしろいね」
と面白がる軽やかさを持っていた。

また、彼は相手の中にしなやかな足取りで
飛び込んでいく人だった。

「本当は、中性の立場がいいのだろう」
と語るように、男でも女でもない
柔らかい透明なフィルターとなって
相手の前に立つ。

だからこそ、あの気難しいボウイも
初対面で彼に心を許したのだ。

さらに、彼には「完璧を求めない」
という恐るべき柔軟主義があった。

あえて計算され尽くした美しさから目線を外し、
その先にある

「何が起こるか分からない、生々しい人間の揺らぎ」
を愛した。

映画の撮影現場でもしゃしゃり出ず、
作品のいちばん良いところを引き出す
立ち位置を冷徹かつ温かく見極めていた。

カメラという機械を通して、彼は人間を、
時代を、ただただ肯定し続けた。

当時、ガーディアン・ガーデンで
彼の初期からの熱狂を見渡したとき、
私の胸をスコーンと撃ち抜いたのは
まさにその部分だったのかもしれません。

ファッションも前衛映画もロックンロール
も、彼にとっては等しく
「愛すべき、生きた人間たちの表現」だった。

この冊子のページをめくるとき、胸がキリキリ
痛むほどの懐かしさと熱量を感じるのは、
シャッターの向こう側に、彼自身の
どこまでも優しく、どこまでも鋭い
眼差しがそのまま生きているからなのでしょう。

完璧の先にある「人間の生々しい揺らぎ」を
愛した男が、半世紀にわたり時代をフラット
に肯定し続けた証が、この一冊に凝縮されています。

この冊子の、確かな記録をここに添えておきます。

◻︎展覧会名:タイムトンネルシリーズ Vol.22
鋤田正義写真展「シャッターの向こう側」
◻︎会期:2006年5月8日(月)~ 6月2日(金)
◻︎主催:ガーディアン・ガーデン、
クリエイションギャラリーG8
◻︎取材・文:小山朋樹
◻︎編集・制作・デザイン:ガーディアン・ガーデン
(株)リクルートクリエイティブセンター
◻︎発行日:2006年5月8日
◻︎発行:株式会社リクルート
◻︎ページ数:64ページ
◻︎表紙ビジュアル構成(掲載写真):
デヴィッド・ボウイ、マーク・ボラン(T.REX)、
YMO(YELLOW MAGIC ORCHESTRA / MULTIPLIES)
ほか

#鋤田正義

住所

小竹町2丁目72-4 サンコーポ201号 Antiqueスピカ
Nerima-ku, Tokyo
1760004

ウェブサイト

アラート

Antiqueスピカがニュースとプロモを投稿した時に最初に知って当社にメールを送信する最初の人になりましょう。あなたのメールアドレスはその他の目的には使用されず、いつでもサブスクリプションを解除することができます。

事業に問い合わせをする

Antiqueスピカにメッセージを送信:

ショートカット

共有する

カテゴリー